ちぢれげ放浪日記

ネタ

皆さんは「毛」をご存知でしょうか?

数ある毛の中でも毛髪は、潤いを保ちながらも敢えてダメージを与えてカラーやブリーチ、パーマをかけることによってファッション性が見出され、切っても抜けない存在としての地位を確立しました。

一方で毛髪以外の身体中のいたるところに携えられた「ちぢれげ」はその姿からしばしば目の敵にされており、ブラジリアンワックス、ニードル脱毛、光脱毛といったありとあらゆる手段で身体から排除されています。

ちぢれげは除毛後の取り扱いにも注意を要し、適切な処理方法で廃棄しなければ予期せぬアクシデントを発生させます。

それはあたかも命を持ち、意思を持っているかのように振る舞い、一人歩きし、時として我々の私生活に何食わぬ顔で介入するためです。

ちぢれげの放浪とでも言うのでしょうか。

「俺のじゃねぇ!」と言えば言うほど怪しい感じになります。

中でも特に介入されては困るシチュエーションは次の通りです。

  • 書類を提出するとき
  • ラブレターを封筒に入れて糊づけするとき
  • 弁当など自分以外が食べる料理を作っているとき
  • 旅行のお土産を配るとき
  • 改まった席でおふざけを厳に慎むとき

世の中の製造業は異物混入対策に頭を抱えますが、それは個人の場合でも例外なく同じ課題を抱えていますので、己のいたるところから抜け落ちたちぢれげに好き勝手旅をさせないようにもシチュエーションを把握しておきましょう。

書類を提出するとき

ちぢれげは提出書類など、他人に渡すものを慕います。

なぜかそういうものに限ってよくひっつくのです。

ちなみに私は高校生の頃、家庭科の授業のノート提出のときに返ってきたノートを開けると、ちぢれげが挟まっていたことがあります。

私のものなのか先生のものなのか…。

しばらく考えましたが考えても結論は出ないので、諦めることにしました。

提出書類の事前チェックは社会人としてのマナーです。

ラブレターを封筒に入れて糊づけするとき

近年、渡すことも珍しくなったラブレター、いわゆる恋文ですが、想いを寄せる人に渡す物にも容赦なく付着するのがちぢれげです。

当然のことですが糊づけしている封筒から、ラブレターと共に飛び出たちぢれげは飼い主を容易に特定されてしまいます。

だからこそ、そこにはあなたの赤裸々な想いがあり、想いを寄せる人にも、あなたの粋な計らいをくみ取る度量が求められます。

「まあ、なんて奥ゆかしいお毛毛ですこと…。」

恋愛もちぢれげのように紆余曲折を経て前に進みたいものです。

弁当など自分以外が食べる料理を作っているとき

「まさかちぢれげが台所になんて…。」とたかを括るでしょうが、意外なものを媒介してやってきます。

それはキッチンクロスなどの布類です。

それらは洗濯時に、肌着や下着と同じ槽に入れることとなるため、ちぢれげ付着のリスクが生じます。

友人宅に食事に招かれた際に、鬱蒼としげったピーマンきんぴらからちぢれげが出てきたことがありますが、良かれと思って作ってくれた人に対してそれを追及することはできませんでしたので、そっと無かったことにしました。

料理を他人にふるまうときにはチェックを確実に!

旅行のお土産を配るとき

旅先の空気を浴びて気分爽快リフレッシュしたちぢれげが、お土産に入り込んではお土産以上の存在感を放つことがあります。

そのような粗相が起こってしまえば、お土産を受け取る人から「こいつは人に渡すお土産を自分のパンツと一緒に入れていたのか?」と思われてしまいます。

それだけではなく、「いやお土産にパンツを履かせて遊んでいたのでは?」とまで疑われかねません。

それが素敵な旅の思い出とちぢれげとのマッシュアップが奏でるハーモニーであれば良いですが、お土産よりもちぢれげが強烈なインパクトで一人勝ちしてしまうので、注意が必要です。

改まった席でおふざけを厳に慎むとき

決しておふざけではありませんが、おふざけのような感じになってしまうのが、厳粛な場所でのちぢれげ見参です。

ちぢれげは愛想こそありませんが、律儀に生真面目に机の上に現れてます。

決して例外はありません。

気付いてしまった人からだんだんと気まずい思いになりますが、払いのけるのも礼儀として如何なものかと、歯がゆい思い思いを噛み締めることになります。

大切な得意先との打ち合わせで、風に乗ったちぢれげが相手側のお偉いさんの茶菓子にふわりと乗った時には顔を覆いたくなる想いでした。

ちぢれげは気づいた時に適切な方法で除去しましょう。

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